2018年9月13日木曜日

フィジカルトレーニングとクライミングトレーニングについての考察

最近某友人からフィジカルトレーニングについての質問をいただいたので、自分の考えていることや、効果を感じていることを書き上げてみる。


                       《他にピラティスとバレエレッスンのDVDもやっている》


富士山の仕事を挟むと、集中力や身体の使い方、心と身体の疲れについて、感覚が鈍っていることもあり、トレーニングの質は富士山前までには戻ってませんが、最近やっていることも含め、参考までに…


でははじめに、クライミングの上達に効果があると感じたこと。

1位:OSやトライ数(何便でRPできたか)にこだわる。

コンペに出てトライ数の重み=アテンプト差を痛感することで恒常的に気にする習慣がついた。
OSや数トライでRPする為には、ダラダラ登らない。目的意識を持って取り組む。特にリードは外岩でもジムでも全課題OS狙いで、逃しても1dayRPを目指しているので、だいぶOSグレードが伸びた。)

逆に5.10台のマスターオンサイトトライさえまともにできなかったころ、5.12aをやっていた(初めて5.12aを登ったのは、2015年7月であり、5日以上、20便くらい出した、有笠の「非牡丹博徒」)みたいなことをあまりしていないので、

・最高RPグレードは、備中の「morisama」 5.12a/b 3便。(2018年5月)
・ベースキャンプの垂壁にあった5.12bを3便。(2017年 10月)

・OSグレードは、瑞牆の「LIFE LINE」5.12a(2016年10月)
・ジムでは、ツナミの5.12aをOSしている。(2018年5月)

つまり外岩では、OS 5.12a  RP5.12a/b
ということになる。
ジムでは、OS 5.12a RP 5.12b
こちらの記録が最高到達点。

次にコンスタントにOSできるグレードを考えてみる。

現時点での自分の体感では、

☆外岩
OS率90%:5.10台
OS率70%:5.11a
OS率50% :5.11b
OS率20%以下 5.11c以上

☆ジム 
OS率90%:5.11a以下
OS率50%:5.11c
OS率 20%以下:5.11d以上

という感じ。
外岩では、5.11b/cくらい、ジムだと5.11c/dくらいのOSトライをすると、最近はOSを逃したとしても、1day、3便以内でなんとかRPできる可能性が高い。なので本気トライで選ぶ課題はそのくらいのグレードに基本はしている。

2位:トライの反省を深める
絶対に登れてよかった、残念だったで終わらせない。OSでもRPでも。
例:・本当はOSするべきだった。OSはできたけれど、5ピン目のムーブのイメージが全然違い、現場処理でなんとかしたので、オブザベに課題があった。
OSを狙っていたけれど、ムーブとホールドの持ち感がイメージと違い難しすぎて、今の実力では全然無理だった。

・本当は5便以内で登らなくてはいけなかった課題だった。(足位置や手順を若干間違えて無駄にフォールしたり、レスト時間の調整、自分のコンディショニングの失敗等のせいもあり、便数を余計に出した。)

・この課題は、何度ムーブを練習しても、劇的に楽になるムーブは今の実力では発見できないので、10便だして進捗状況が変わらないようだったら封印しよう。

とか、具体的にオンサイトトライとレッドポイントトライを別物と考えて両方の反省する。

ちなみにジムだと1カ月、20便くらいまで時間のかかる課題を許容している。
逆外岩だと2週かけて(最大4日)進捗がない課題は封印している。

3位:ボルダリングの本気トライとムーブ練習。
リードばかりやっていると、1時間かけてムーブを作るということがなくなるので、ボルダリングもオンサイトトライ中心だが、ボルダリングの1dayでRPするくらいの課題を2週間に1日は必ず取り入れて行うように意識している。

また、インドアボルダーが自分のペースでリラックスした状態で1番取り組める分野ということもあり、10級から本気でムーブ練習をしている。(ボルダー練習をやる時間がなかった場合、5.6〜8くらいのルートでトップロープで行うこともある。)
1手1手ホールディングについて考察し、試行錯誤を重ねて違和感のないホールディング、足の置き方、力の入れ方、抜き方、背骨、骨盤、首の位置を日々自分なりに研究している。
この練習のおかげで、身体を痛めることがここ半年くらいなくなった気がする。(慢性的に左肩の付け根が半年前まで痛かった。)

4位:ラン&コンディショニング
だいたい一週間で20kmくらい走ると身体のキレが良くなる気がしている。だいたい1日おきに5kmくらい走ろうと思っている。

またコンディショニングというのは、お風呂に長時間入って疲労をとる。ストレッチやセルフマッサージをまじめにやる等のアフターケアのことであり、特に前腕と指のマッサージ、足のマッサージを入念に行うかサボるかで、ジムや外岩のパフォーマンスの良し悪しにかなり影響があると感じている。

5位:フィジカルトレーニング
1番効果を感じているのは、繊細な筋肉の動きを感じられるような運動。バレエ、ピラティス、ヨガ、カーヴィーダンスなどを、DVDを見ながら日替わりでやっていることと、スクワットなど身体の重心を感じるような運動。隙間時間に10分からできるので、あんまり億劫にならず続けられている。またできるだけ、日常生活でも姿勢をよくすることを意識している。
特に足の指の圧力と膝を伸ばすチカラをすぐ抜いてしまうので、足先を意識している。

6位:(総合的に)レスト
爆発的なエネルギーを発揮する為には、力を抜くことだと考えていて、クライミングから離れ時間を意図的に作る。


常に同じサイクルで生活しないことや、(1年中火、木リードジムで、週末は全て外岩に費やすとか)、身体の周期を意識して行動する。こちらは去年から考えて続けていることであり、週末外岩の予定がないことが耐えられないと思って、どんどん先の予定を決めていたが、心身ともに疲労が溜まってくるので、スケジュールをギチギチにしなくなったらだいぶ質が上がった。(ただし人から誘われることもほとんどなくなった(笑))

身体に疲労を溜めないようにすることも考え続ける。走りすぎたり、フィジカルトレーニングし過ぎたりすると、クライミング前に疲れが残る為よくないと反省したり、またクライミングにおける追い込みトレーニングやウォーミングアップも、どれくらいの量をやるのかも考える。

またRPトライのインターバル時間も対象物をRPする為にはどれくらいが適正なのかについて考える。
ジムでも外岩でも、登れず、2便目で余裕でRPできる気がしない課題に出会った時は、イメージ作り、シークエンスの反芻、対象物の前での瞑想(意識を集中する時間をとること)は登れるか登れないかギリギリのラインの課題をギリギリ完登に導いてくれる可能性が高いので、何分その時間をとるべきかを考える。(30分〜2時間の間が多い)


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今までやってきたトレーニングと考察

2012年1月末からボルダリングジムスタッフとなりインドアボルダーからフリークライミングをスタート。それまでは年に数回ジムに行くか行かないか、外岩経験といえば、丹沢の懸垂岩で年1にロープワーク訓練くらい。

*ボルダリングジムスタッフ時代(2012年1月〜2016年7月)
クライミング頻度週5以上(2014年春くらいまで、90%ボルダー。2014年春から、タイプラナン遠征に向けジムと奥多摩の岩場でリード開始。しかし、2014年は富士山バムをしていたため、6カ月自宅にいない生活。また7,8月はまったくジムに行かない生活。
2016年2月〜2017年2月まで:pump年パスを購入し、週3日以上リード&ボルダー。合計で週6日くらいクライミング。

☆フィジカルトレーニング
・ヨガ 週3日くらい(3年くらい)
・指懸垂 週2回くらい
・バレエ教室 週1回(半年くらい)

*給食センタースタッフ時代(2016年9月〜現在)
2016年2月〜2017年2月までクライミング頻度週5日以上(2016年9月〜2017年2月からは週5日以上リード)

2017年2月〜8月まで
交通事故に遭い、1ヵ月完全レストのちボルダー週3回。
2ヵ月後から、ボルダー、リード週1回づつ。

2017年9月〜現在
・ジム平日週2回(リード+ボルダー。リードしかやらない日もあるし、ボルダーしかやらない日もある)
・土日外岩
※ただし、12月〜2月は外岩の頻度は月1回くらい

☆フィジカルトレーニング
・ボイラー室での筋トレ 平日毎日(スクワットとダンベル30分くらい。ただし6〜9月は暑すぎて中断)
・ランニング 週3日〜5日 5〜10kmくらい(2017年11月〜。ただし暑すぎて6月から中断)
・懸垂 週1回 10回くらい
・ピラティスorヨガorエアロビ的なやつを10〜60分 週2回くらいDVD等で。

過去のブログやFacebook、日記から振り返ってみると、こんな感じだが、クライミングの上達に直接繋がっているのは、質を高める努力だと思う。ボルダリングスタッフの頃は寝ても覚めても登り続けられる環境にあったし、週5日以上はジムなり外岩なりで登っていた。
しかし、だからといって毎日少しづつ成長していたかと聞かれたら、答えはNOだ。
完登できないことや、成長できないことに日々向き合えず、代わりに毎日登るという行為でその不安を払拭していた。

転職してからの方が、登る時間はピーク時の半分にも満たないと思うが、成長の可能性を感じているし、登らないことに対する不安よりも、集中力や、質の高いトレーニングやトライができないことをかなり不安視していて、惰性的になりそうになったら早めに切り上げる、レストする等を選択するようになり、頻度や量がかなり下がった。そうは言っても、成長する為には、週3日はクライミングをジムなり外岩なりでした方がいいなーとは今の所、思っている。

こんな感じでいかがでしょう?
最後に大きく振り返る良い機会となりました!
自分の思考や行動を分析し、振り返るのも最大限の成長につながる行為かとも思う。
近々生活サイクルと食物、体重、についても振り返ってみようと思う(笑)

2 件のコメント:

  1. 私は最近、太極拳が体幹や手足の意識との連動に良いんじゃないかと考えてます。まだ実行フェーズじゃないですが(笑)
    あと、先日変な態勢で落ちて肩を痛めたと思ったのですが、整体で首を調整してもらったら痛みが消えました。痛い場所と原因は一致しない事もあります。肘とかもそうですね。

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  2. コメントありがとうございます!
    太極拳、気になってますが、DVDが渋めなのしか見つけられず、買うのをためらってます(笑)
    なんか良いのが見つかったら、教えてください…笑

    確かに脇の下とか鎖骨とか腕とかをマッサージすると指が少し楽になる気がするとか私も勝手に思ってます(笑)
    日々色々と発見できたら面白いですね〜

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