2017年8月16日水曜日

富士山ガイドの仕事を振り返る(7月〜8月6日)

富士山ガイドを始めて5年目の夏。

登山家になるから、まともに就職している場合ではない!と知人からSNS上で軽くいただいた話を飛びつくように受けた事をきっかけに
大学を卒業し、就職の話を全て白紙にして臨んだ22歳の夏から、もう5年。
2ヶ月しか仕事の期間はないもので、あっという間に1年が過ぎてしまう。

                                            (今年はほとんど見れなかったご来光)

昨年までは、富士山とクライミングジムの年収が大体同じくらいで、生命線の主戦軸だったのだが、今年からは、下界の仕事の年収が少し上がったので、お金を稼ぐというノルマ的要素が減り、かなり仕事の内容に意識を集中することができるようになった。
自分自身の労働環境は改善されつつあるし、しばらくマイペースに続けていけそうな良いペースがつくれそうだと思う。

5年間を振り返るってみると、本当の意味で何をしたいか不明だった私の人生は、富士山で一生懸命働くということによって生きる価値を見いだし(2年目くらいまではまさにそう)、
その味が金銭面以外でも忘れられず、富士山に少し依存して生きていたようにも思う。

またガイディングが不安だ、微妙だ、下手くそだと先輩ガイドから思われ、指摘されるたびに、逃げ出したくなったり、気づかない振りをしたりして、その場を常にやり過ごしたかった。
何を変えたら上手くいくのか、3年目くらいまでは全然わからなかった。

クライミングジムの正社員になるか?富士山ガイドを続けるか?という人生の選択を迫られた昨年は、逃げ場がなくなった為か、急にガイドという仕事の本質が見えた気がして、自分の成長の可能性を多いに感じることができた。

(おはち巡り)

そして今年は、仕事前のイメトレから仕事中の集中力、想定外の出来事にたいする想定が昨年までの自分とは全く別物で、昨年よりもより根拠のある、自分の成長の兆しを感じたし、また周囲の人へ少しは気がまわるようになってきた気がする。

上記の理由でまだまだ、この仕事を続けたい。
と思う反面、昨年まではまったくなかった体調不良に常に悩まされたり、自分のキャパの限界感じ、不安を覚えるような出来事もあり、仕事との距離感を考えなくてはいけないなと思った。
今後は、副業という距離感で続けていきたいなと本気で思えたことに、5年間の成長を1番感じる(笑)

ということで、ひとまずの目標は、30歳までに富士山の収入がまったくなくなっても、余裕で生きていけるようになること。
理由はお金を稼ぐという目的がなくても、というかない方が良い仕事ができると思うし、量をこなさなくても、質を高められる時期には入ってきていると思うからだ。

(お客様がご来光を待っているのを写真に撮るのが結構好き)

ほとんど無職だった2年目には25回程度登り、昨年までは収入の関係で15回くらいを目標に登っていた富士山。
今年は9回と回数は、はじめて1桁となった。それでも充分に登りすぎているくらいに感じたので、今後は5〜10回のペースにしたいと思う。

そうはいってもようやく数合わせ的な立場から、周囲に還元できることが少しづつできるようになってきた気がするので、続けられる限りはがんばりたいし、続けられるように努力はしたい。
(6合目から登ってきた山頂までの道を見上げる)

最後に富士山に関わる全ての方々に感謝しております。
また来年もよろしくお願いします〜(^ν^)

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