クライミングは危ない、クライミングは怖い。その気持ちにまっすぐ向き合うことの大切さを思い知った。
2/21久しぶりにHSさんとご一緒させていただき、凄まじい本気トライを拝見させていただき、自分の最近の怠慢を思い知る。
三倉以降、クラックでは、旬を逃した課題ばかり登って達成感があまりなかった。
本気トライをしてないから、つまらなくなってしまっているんだと痛感した。
正直城ケ崎はルートに対して怖い気持ちが強く、あんまり足が向かなくなっていた。
まだまだ登るべきルートは沢山あるはずなのに、城ケ崎はもういいかなーなんて思っていた。
それは自分の怠慢だと改めて思った。クラックから目を背けてしまうとどんどん安きに流れる、クラックで本気トライができなければ、本物のクライマーとは言えないと思った。
この日は「漁り火レフト」をトライし、出だしでフォール。2撃したが、レッドポイントトライでもボルトルートのような恐怖の軽減は感じられず、この感覚が大事なんだと思った。
≪HSさんの漁り火ライトの凄まじいトライ≫
2/22IUさんに頼んでI塾講習に参加させていただきファミリーでカム回収講習に参加。自分が過去に残置した「ファザークラック」のカムを見に行った。そして「ファザークラック」を登ったあと、「マザークラック」にグレードを見てふわっと取りつき、カム抜けフォールをし後ろの壁に激突。死ぬかもしれないと思い怖くなり、それ以来ずっと封印していた「マザークラック」をトライさせていただいた。
そもそも自分でパートナーを探し、取り組めない時点でもやもやした。師匠の前でトライするというプレッシャーと安心感を取らないと向き合えないことも、弱いと思っていた。
そして20回くらいいきつ戻りつしホールドやムーブを探ったが、やはり核心部で落ちるまで頑張れず、恐々カムにテンションをかけどうにかトップアウト。
しかし、回収で事件が起こった。カムが3つもスタックし回収できなくなった。
精神的に追い詰められ、諦めてカムを3つ残して降りてきてしまった。
そして回収権をIUさんと師匠にゆずった。
カムは師匠によって無事に回収され手元に戻ってきた。
その日の晩、自分がクライマーとは言えなかったと大泣きした。
何度も本物のクライマー達が脳裏に浮かび、自分との圧倒的違いに絶望した。
2/23IJC♡メンバーが城ケ崎に来てくれることになり、土下座張りのお願いをして、再びファミリーへ。「マザークラック」に昨日と同じ位置にカムを決め、RPしカム回収することを絶対やらねばならないと思った。
結果は昨日ムーブやカムの位置は探ったとは言え、右に出るところはかなり躊躇したし、リスクと恐怖は何回登っても変わらないと思った。カム回収は相当反省とシュミレーションを夜からしていたので冷静に取り組めた。
もちろんそんなことは自己満足であって、わざわざ人に付き合わせてまで、してもしなくても、なにも変わらないのかもしれないし、前日の自分が劇的に変わるわけでもないと思う。
ただし岩と向き合うことに対して、弱くてずるい自分から目を背けないことが、自然の岩を相手にするクライマーとして成長する上で最も重要だとこの日確信した。
そしてそれは、自分にとって限界グレードの課題を登ることでも、コンペで実力を発揮するというスポーツ的な取り組みでは得られないことだと思った。
2/24フナムシへ。ここでは「無名フィンガークラック」を登った。出だしの怖いセクションで相当いきつ戻りつして頑張ったのに、ハンドセクションで手がすっぽ抜けてフォールしてしまった。そしてロープの流れもいまいちよくできず、RPしてももやもやした。
その後、フラッシュダンスで事件が起こる。
その件を受けて自分の価値観を深く反省した。クライミングをやるからには楽しいという気持ちが一番で、やりたいことを自分の思い通りやればいいと思っていた。
でもそれは自分の気の緩みであり、IJC♡のみんなと楽しくクライミングしたいというエゴだった。
例えばいつも同じメンバーで登ると、外岩、ジムに限らずリードもビレイも緊張感が薄れると思う。初心者でもこなれていても、しかし本質は危険な行為を行っていることに変わりはないし、どんな人でもクライミングという行為を続ける限りリスクはゼロにならないと思う。
自分のせいで、メンバーの緊張感を薄れさせてしまっていたし、塾長先生が意図して教えていなかったと思われる、ボルトルートでの敗退法やトップアウトする方法を教え、少しでも自力でチャレンジングなルートに取り組み、どうにか自分にとってチャレンジングなルートをトップアウトしRPすることで外岩でも達成感を味わって欲しいと思ったことを本気で反省した。
それは、スタイル以前の問題で人の命を軽く扱う行為でもあったからだ。
このままのIJC♡では、いつか誰かが死ぬかもしれないし、自分が死ぬかもしれないと思った。
この事実から目を背けてはいけない。
IJC♡全体として、安易な安全を確保する方法に走ってはいけない。
お前あぶねーな、死ぬぞと言われ続けていた本質がようやく見えた気がした。
わたしもクライミングをやってきたと全く言えないと思い、本物のクライマーになりたいと思った。
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2/21@漁り火
・ジャムウェーブ 5.9(アップ)
・イサリビクラックレフト 5.10c(×,RP)
2/22@ファミリー
・シスタークラック 5.9(再登)
・アンクルクラック 5.9(再登)
・ファザークラック 5.10b(再登)
・マザークラック 5.10c(×)
2/23@ファミリー
・無名のハンド 5.7?(アップ)
・マザークラック 5.10c(RP,通算3便,3日)
・?馬 5.10c(OS)
2/24@フナムシ
・純 5.8(アップ)
・鬼ころし 5.8(アップ)
・無名フィンガークラック 5.10a(×,RP)
・フラッシュダンス 5.10a(再登)