2016年6月18日土曜日

小川山、マルチピッチ講習 (6月11,12日)

HSさんと、師匠の見習いにて、マルチピッチ講習。

初日:左岸スラブ周辺にて。2p
カムで支点を作る練習ののち、残置無視で、パートナーとディスカッションをして、登るラインを決める。

先行リードはHSさん。
ラインはクラックが走っていて、途中から5.8くらいのボルトルートになるラインを直上。

クラックがなくなりスラブパートになる部分が悪いらしく、いきつもどりつして粘られていたが、HSさんはクライムダウンをして私とリードを交代した。

取り付いて、師匠に声を掛けられるまでの私はとても強気で、不思議と恐怖心がなく、下からのオブザベーションで、ムーブのイメージがかなり固まっていた。
なぜか、5.8くらいのスラブをフリーソロする覚悟ができているのと同時に、グランドフォールの覚悟もできていた。

HSさんがいきつもどりつしていた、大きな穴に右手でデッドポイント。
それから右足を手に足ヒールしてマントリング状態。
立ち上がりのホールドがなかなか決まらず、留まっている時に、師匠からクライムダウンの指示が…。

声を掛けられた瞬間に急速に世俗に引き戻されたような感覚に陥り、急速に怖くなって目の前のボルトを掴み、クリップをして、一度立ち上がり、どうしても先に進みたかったので、クリップを外し、左に踏み出そうとした。
しかし、恐怖で今度は全く踏み出せなくなってしまったので、2,3度トライしたのちに諦めてもう一度ボルトにカラビナを掛けてロワーダウン。

絶対行けたと信じていたので、ロワーダウン後に行けなかったのは師匠が止めた所為だと思っていて、暫く納得できなかった。

15分くらい経って漸く自分の頭のおかしさに気づきはじめる。

・グランドフォールを覚悟してまで、登りたかったのか…?
→最近落ちられないことが悪いと思いすぎている節があり、毎日「マムートカップ」のフォール動画を見て恐怖心を克服しようとしていた。
実際フォールを覚悟できると恐怖心が薄れてきて、完登できる可能性が上がるのも、pump2では実感していた。

・降りた瞬間は師匠の所為にしていたけれども、進めなかったのは自分の実力じゃないだろうか…。
→急速に自己嫌悪に陥り、人としてとても恥ずかしくなり、自分に絶望した…。

とその後、違う取り付きを探して2pでトップアウトして下に降りるまで表面的には目の前のピッチに集中していたが、その事実をひきずり続けた。むしろ、その日の晩、更に今の今のまで…


2日目:スラブ状岸壁周辺。7p
こちらは一度講習で登らせていただいたことがあるので、イメージがある程掴めていた。昨日の反省から、「弱点ライン」、「素早くトップアウト」を自分の中のテーマにサクサク進む。
トップアウト自体は昨日の2pで5hから比べると、4pで4hくらいだったので、約半分くらいの時間で終わった。
しかしカムで支点を作る作業を手こずったりしていた際に、頭がだんだんと痛くなり、懸垂下降するくらいには激痛に変わっていた。
懸垂の途中で降りて、綺麗なクラックを登る予定で、まだまだ行動が続くという場面であり、必死に頭痛を気にしないよう自分に言い聞かせるが、なかなか痛みは治まらない。
30分くらい休憩をさせていただき、少し回復したので、HSさんのビレイをする。
HSさんが登ったラインが予想より悪く、頭の痛みを忘れるほどのアドレナリンが出てくれた。
そのお陰で、ルートを登りきるまでは、酷い頭痛から解放されてなんとか計画した行程を終えられた。

2日間を終えての感想は、リスク管理も自己管理もできない。
1ヶ月前回の講習の反省を意識して登っていたわりには、成長曲線が緩やかであり、本質的な改善は今回は見込まれなかった。
お膳立てリードでマルチをやっていても、判断力や行動力があまり伸びないことも改めて痛感した。(パートナーにトラブル回避を甘えている)

クラック講習までと違い、マルチピッチ講習卒業への道筋がみえず、自力で大岩壁に挑めるイメージが持てない。
かといって素早く改善できることといえば、表面的な事で、本質的な改善にはとても時間がかかるように思う。

☆思いつく、表面的な事
・ショートルートをマルチピッチを意識しながら登りこみ、練習の成果を発揮できるようにする。
・ロープ操作のスピードを上げる。

☆思いつく、本質的な事
・自分を知りコントロールする。
・日々テキパキと行動する。
・パートナーへの配慮、コミュニケーション。
・岩を読むチカラをつける。
・リスクと挑戦を冷静に天秤にかけ理論的な判断をする。

ここまでできないと流石に焦ってきて、
例えば師匠の仕事に負担を掛けながら面倒を見て貰っているのに、一生恩返しできるところまで、いけないんじゃないかとか、

マルチピッチからしばらく距離を置きたいなとか、

そもそも向いてないのではないかとか

不毛な考えが沢山浮かんでくる。

あとは中学生の頃に先生から言われた言葉たちを思いだす…笑

・お前は8割頑張れるのに2割必ず隙ができる(しかも致命的にダメになる)
・嫌な事から逃げるのか
・自分で行動を起こさないのか
・弱い事は悪いことではないけれど、ズルい心と結びつくからダメだ

とか…。

あの頃は先生に会うたびにビクビクして、その場をやり過ごそうと必死で行動しては、更に怒られていたけれど、概ね指摘はあっていて、今の今まで改善されてないのではないだろうか…。

まとめとしては、少しずつ思いつく最良の方法で、
自分の未熟さと小さな失敗は覚悟しながら、気長に楽しくやっていくしかないと思った。
よし、これからのクライミングが楽しみになってきた…笑

講習自分メモ
*全体の安全性の高い形を考えてから、リスクを考えて引き算する。

*フォローの人の事も配慮してプロテクションをとる。
(特にトラバースの時等)

*ピッチを切る位置
次のピッチの難しいパートの真下。



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